先日、放送の『今どき落語』
(BSジャパン 毎週木曜日10時30分から)
瀧川鯉昇さんの「時そば」、やっぱり、普通じゃなかった!
マクラはいつも通り独特で、可笑しな噺が淡々と続く。
そして「時そば」なんですが、"時"を聞かない。
割ってあって、
ネギがついて、
しかも、そんなに新しくない。
反り返って、
湿っている割り箸にはじまり・・・
「丼のふちが欠けてるよ。回せばいいか。こっちも欠けてるよぉ。まんべんなく欠けてるねぇ、のこぎりかい?」
そばの汁を飲むと倒れそうになって、後ろ向きになって、後ろの塀に寄りかかる。
「このそば屋は、後ろの塀とセットだね」
爪を立てた跡やそば屋が味見したときの手の型も残っている。
「太いそばだね」
「今日は、包丁が無いから切ってません」
「二本しか入ってないよ」
「薄い麩だね。丼のガラかと思った。向こうが透けて見えるよ。包丁が無いから、鉋で削りました?」
そして
「温かいものを食べて寒気がしたのは、初めてだぁ!」
サゲは
"今どき"は「いま何刻だい?」と言われても、朝なのか昼なのか夜なのかわからない、って事でしょう?
刻の変わりに、そば屋の子どもの歳を聞く。
鯉昇さんは、他にも「粗忽の釘」で、"ホウキ"の代わりに"エキスパンダー"をかけるバージョンもある。
でも、"エキスパンダー"って、今どきの人は分かるの?
まあ、サゲよりも、全編可笑しい「時そば」、いえ「年そば」でしょうか。
顔を見るとちょっと鬼瓦のようだけど、この表情が可笑しいんです。
どこかで、出会えるといいですね。
次回は、1月5日放送
桃月庵白酒さん「壺算」。コチラもおすすめ!!
ほなな
2011年12月25日
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すみません、今更ながらで…。
鯉昇サンだけ見逃してしまい、2日後に落語会で「時そば」だったので安心したのですが、たにぃもサンのブログを見てびっくり!!
サゲが違ってたんです。(後ろの塀とセットとかは同じでした)
私が聞いたのは、勘定の途中、8まで数えて蕎麦屋に好きな甘味を聞く。
“ココナッツ”
…場内爆笑でした。
何パターンもあるって事なんですかね♪
「時そば」で、“ココナッツ”。
これは、成功の方ですよね。
とすると、真似をした失敗の方は?
“八橋”? “みつまめ”?
私は、ノーマルと“子供の年”を聴くものしか知りませんでした。
他の噺では
「粗忽の釘」エキスパンダー・バージョン
「蒟蒻問答」の餃子版
です。